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・ 普通教科「情報」の指導と評価について

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V 評価規準と評価の工夫
 
1 評価規準及び指導計画の作成
 実際の指導場面で使用する教科書は、学習指導要領の目標及び内容に沿って作成されていますが、普通教科「情報」で取り扱われる内容が多岐に渡っていることもあり、教科書よって取り扱う題材に違いがみられます。特に情報科の授業では、知識や技能の習得に偏りがちですので、学習指導要領、国立教育政策研究所が示す「評価規準の作成、評価方法の工夫改善のための参考資料」を参考に、目標や評価の観点の趣旨を踏まえた、評価規準及び指導計画を作成することが大切です。ここではその手順について説明します。
 
@ 学習指導要領のねらい及び評価の観点の趣旨を踏まえ、教科書などを参考にしながら、年間指導計画を作成する
A 学習指導要領及び評価の観点の趣旨を踏まえ、指導目標の実現状況を評価するために、観点別の評価規準を作成する。(P14表1 評価規準)
B 評価規準ごとに、その学習の状況を測るにはどのような評価方法が向いているかを考える。(P14表1 評価規準)
C 学習指導要領のねらい及び評価の観点の趣旨を踏まえ、評価規準や教科書などを参考にしながら、内容のまとまりごとの学習活動とそのねらいなどを設定した指導計画を作成する。(P14表2 指導計画)
D 指導計画の中に、学習活動ごとの評価規準との関連を示すとともに、評価規準の評価時期を設定する。(P14表2 指導計画)
 
 以下に示したのは、学習指導要領に示されている「情報A(1)情報を活用するための工夫と情報機器」における「ねらい」と国立教育政策研究所「高等学校における評価規準、評価方法等の研究開発について(中間整理)」に示されている「評価規準」の例です。
  それを踏まえて、実際の学習内容に即して作成した「情報A(1)イ 情報伝達の工夫」における評価規準の例(表1)と指導計画の例(表2)を次ページに示しました。
 
<「情報A(1)情報を活用するための工夫と情報機器」のねらい>
ア 問題解決の工夫
 問題解決を効果的に行うためには、目的に応じた解決手順の工夫とコンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用が必要であることを理解させる。
イ 情報伝達の工夫
 情報を的確に伝達するためには、伝達内容に適した提示方法の工夫とコンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用が必要であることを理解させる。
 
「(1)情報を活用するための工夫と情報機器」の評価規準の例
関心・意欲・態度 思考・判断 技能・表現 知識・理解
 コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用することに関心をもち、問題解決と情報伝達の活動を目的に応じて適切に行おうとする。  問題解決と情報伝達の活動において、目的に応じた解決手順や提示方法を自分なりに工夫する。  問題解決と情報伝達の活動において、コンピュータや情報通信ネットワークなどを活用する。  問題解決と情報伝達の活動において、目的に応じて解決手順や提示方法を工夫する必要があることと、コンピュータや情報通信ネットワークなどの適切な活用が必要であることを理解している。
 
<内容のまとまりごとの評価規準と指導計画(評価計画)の例>
表1 「1章2節 情報伝達の工夫」の評価規準
A 関心・意欲・態度 B 思考・判断 C 技能・表現 D 知識・理解
評価規準【評価方法】 評価規準【評価方法】 評価規準【評価方法】 評価規準【評価方法】
12A1
身近な問題について関心をもち情報を集めようとしている。
【観察】
 
12B1
情報の内容に適した手段を選択できる。
【自己評価・相互評価
・ペーパーテスト】
12C1
コンピュータや周辺機器の操作ができる。
【観察】
 
12D1
さまざまな情報伝達手段についてその特徴を理解している。
【ペーパーテスト】
12A2
身近な問題についてさまざまな手段を活用して問題解決を図ろうとしている。
【観察】
12B2
著作権を意識して発表資料を作成している。
【ポートフォリオ・作品】
 
12C2
主要なソフトの基本操作ができる。
【観察】
 
12D2
フォントやレイアウトなど文書作成の基本的な事項を理解している。
【観察・ペーパーテスト】
12A3
伝達したい内容についてわかりやすく相手に伝えようとしている。
【自己評価・相互評価】




 
12C3
伝達したい内容についてわかりやすく発表できる。
【自己評価・相互評価】
 
12D3
表とグラフの特徴を理解している。
【観察・ペーパーテスト】
 



 



 
12C4
伝達したい内容に適した発表資料を作成できる。
【ポートフォリオ・作品】
12D4
著作権について理解している。
【ペーパーテスト】
 
表2 「1章2節 情報伝達の工夫」の指導計画(評価計画)
時間
 
指導目標
 
学習活動
 
評価規準
との関連
指導上の留意点
 
学習形態
 
1
・ 身近な話題である修学旅行についての調べ活動を行うことによって問題意識を喚起する。
・ さまざまな情報手段があることとその長所、短所を理解させる。
・ 情報を扱う上で大切な著作権などについて理解させる。
・ 修学旅行について各自が興味関心ある事項について調べる。
・ さまざまな情報伝達手段について実物や写真を見せながらその特徴について考える。
・ 資料を作成する上で注意しなくてはならない著作権などについて説明する。
授業中
12A1
12C1
12C2
・ コンピュータやソフトの操作ができていない生徒は個別に指導する。
・ 各情報手段の長所、短所を考えさせるように工夫をする。
・ 著作権を単に教え込むのではなく、なぜ守らなくてはならないのかを考えさせる。
パソ室
一斉
単元終了後
12D1
12D4
2〜3
・ さまざまな手段を活用して問題解決を図らせる。
・ 各自が調べた内容を元にグループの発表内容について検討する。
・ グループの発表内容について役割分担して発表資料を作成する。
・ 文書作成の基本的な事項とグラフの特徴について説明する。
授業中
12A2
・ グループとしての方針がまとめられるようにする。
・ 必ず全員が役割をもちように配慮する。
・ 説明時にはグループ作業を一端中断する。
パソ室
グループ
単元終了後
12C4
12D2
12D3
4
・ 発表会を通して、わかりやすい情報伝達について考えさせる。
・ 自己評価・相互評価を通して自己評価能力を高める。
・ グループ別発表会
授業中
12A3
12B1
12C3
12D2
12D3
・ グループの自己評価と相互評価を行い、グループ活動を振り返ることができるようにする。
教室
グループ
単元終了後
12B2
12C4
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