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・ 普通教科「情報」の指導と評価について

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T 情報教育の体系と普通教科「情報」の目標
 
1 小、中、高等学校を通した情報教育の体系と目標
<情報教育の目標>
 普通教科「情報」の目標を明確にするには、まず、情報教育全体の目標を確認しておく必要があります。
情報教育の目標は、下の枠内に示したように、「情報活用の実践力」、「情報の科学的な理解」、「情報社会に参画する態度」という三つが目標になっています。したがって、単にコンピュータや情報通信ネットワークを使うことを学ばせるのではなく、情報手段を適切に選択して活用し、情報の特性を理解し、よりよい情報社会の創造に貢献しようとする態度を育てていくことが大切になってきます。
 
○ 情報活用の実践力
課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて、必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し、受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力
○ 情報の科学的な理解
情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と、情報を適切に扱ったり、情報活用を評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解
○ 情報社会に参画する態度
社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し、情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え、望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度
(情報教育の実践と学校の情報化 〜新「情報教育に関する手引」〜より)
 
 情報教育の目標を達成するためには、小学校、中学校、高等学校を通して体系的に情報教育を実施する必要があります。次の図1は、学習指導要領解説情報編に示された、情報教育体系化のイメージですが、情報教育の三つの目標に対して、イメージの中に示された教科・領域などだけで育成を図るというものではなく、様々な教育活動の中で必要に応じて育成を図ることが大切になります。

図1
図1 情報教育体系化のイメージ(高等学校学習指導要領解説 情報編より)
 
 高等学校での情報教育は、体系の仕上げの段階として位置付けられています。中学校までの学習を基に、普通教科「情報」を核にして、「総合的な学習の時間」や各教科における実践の他、公民科の学習内容でもある情報社会に生きる資質の育成との関連において学ばせるようになっています。したがって、全職員の共通理解や学校全体での取組が必要になります。 特に、普通教科「情報」は、情報社会の一員として必要な能力と態度を確実に身に付けさせる教科であるという認識をもつ必要があります。 また、各教科の指導においても、コンピュータや情報通信ネットワークを積極的に活用することになっています。(各教科における情報教育と情報活用能力の指導との関係は、「情報教育の実践と学校の情報化〜新『情報教育に関する手引き』〜」文部科学省、平成14年6月に詳しく書いてありますので参照してください。)
<中学校技術・家庭科との関連>
 普通教科「情報」の指導においては、中学校の技術・家庭科との関連を考慮する必要があります。中学校技術・家庭科の技術分野では「B情報とコンピュータ」の(1)から(4)の項目が必修となっており、普通教科「情報」を指導する上で、これらの項目の内容を把握しておく必要があります。また、中学校では、他の教科や「総合的な学習の時間」などでも、コンピュータや情報通信ネットワークを活用し、多様な学習活動を経験して高等学校に入学してくることになります。これらの中学校での情報教育の内容について理解するとともに、内容と程度、個人差に配慮して指導を組み立てることが求められます。
 
中学校技術・家庭科における情報に関する内容
 B 情報とコンピュータ
(1) 生活や産業の中で情報手段の果たしている役割について、次の事項を指導する。
ア 情報手段の特徴や生活とコンピュータとのかかわりについて知ること。
イ 情報化が社会や生活に及ぼす影響を知り、情報モラルの必要性について考えること。
(2) コンピュータの基本的な構成と機能及び操作について、次の事項を指導する。
ア コンピュータの基本的な構成と機能を知り、操作ができること。
イ ソフトウェアの機能を知ること。
(3) コンピュータの利用について、次の事項を指導する。
ア コンピュータの利用形態を知ること。
イ ソフトウェアを用いて、基本的な情報の処理ができること。
(4) 情報通信ネットワークについて、次の事項を指導する。
ア 情報の伝達方法の特徴と利用方法を知ること。
イ 情報を収集、判断、処理し、発信ができること。
(5) コンピュータを利用したマルチメディアの活用について、次の事項を指導する。
ア マルチメディアの特徴と利用方法を知ること。
イ ソフトウェアを選択して、表現や発信ができること。
(6) プログラムと計測・制御について、次の事項を指導する。
ア プログラムの機能を知り、簡単なプログラムの作成ができること。
イ コンピュータを用いて、簡単な計測・制御ができること。
※(1)〜(4)は必修、(5)、(6)は選択
(中学校学習指導要領より)
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