教科「情報」指導事例
クラス会のつり銭
学習指導要領との関係
モデル化とシミュレーション
本項目の指導目標
身のまわりの現象や社会現象などを通して,モデル化とシミュレーションの考え方や方法を理解させ,実際の問題解決に活用できるようにする。
指導の概要(総時数:6時間)
指導項目 | 指導時間 | 使用教材等 |
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クラス会のつり銭 | 1 | ワークシート(Excelファイル) |
本時のねらい
不確定要素があるので確定的に解けない題材であるが,シミュレーションによって確率的に解くことができることを実感させる。
指導展開例
学習活動 | 時間 | 学習のねらい | 指導上の留意点及び使用教材 | |
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導入 | 会費1,500円,25人でクラス会をおこなう。会費は,1,000+500円を出す人と,1,000×2円でつり銭500円を求める人と,半々いる。1,000+500円の500円は,次の人のつり銭として使える。最初に何枚500円硬貨を用意しておけば,つり銭切れが起きないか。 | 5分 | 問題を十分理解させる。 身近な出来事であることを強調する。 |
まず,直感で答えを考えさせる。 |
展開 | 表計算ソフトを使用する。 乱数<0.5なら1,000+500円,それ以外は1,000×2円を出したものとして,25人分作成する。 500円硬貨の枚数を,1,000+500円なら+1,1,000×2円なら−1して,25人分の最小値がマイナスならば,つり銭切れを起こしている。 100回分のシミュレーションを見せる。何度も再計算させる。1回の再計算で,100回の実験をしたことになる。 |
40分 | コインと紙とペンでもシミュレーションできることに気づかせる。
パソコンを使えば,楽にシミュレーションができることに気づかせる。 つり銭を1枚も用意しなくても,場合によってはつり銭切れが起こらないことに気づかせる。 最初につり銭を7枚用意しておけば,約85%以上の確率でつり銭切れを起こさないことがわかる。 さらに多く用意すれば,さらに確率が上がる。15枚用意すれば,99%以上つり銭切れを起こさない。25枚用意すれば,絶対につり銭切れを起こさない。 |
時間が許せば,ワークシートを生徒に作らせてもよい。 ワークシート ![]() 何回実験すれば答えが出るか,考えさせる。 ワークシート ![]() |
まとめ | 数学的に解けない題材だが,シミュレーションすれば,ある確率での答えが導き出せる。 | 5分 | コンピュータは,あくまでも道具であることに気づかせる。 要求する確率によって,答えが変わる。 |
直感との誤差はどの程度だったか。 |
使用教材及びWebコンテンツ
使用教材 | |
教材名 | クラス会1回分を示したワークシート |
作成ソフト | Microsoft Excel |
活用のポイント | 再計算すれば,その回数だけ実験したことになる。だいたい何枚のつり銭を用意すればよいかは想像できるが,不足する確率まではわからない。 |
使用教材 | |
教材名 | クラス会100回分を示したワークシート |
作成ソフト | Microsoft Excel |
活用のポイント | 100回ずつ実験しているので,不足する確率も同時に示すことができる。 |