小学校英語活動推進者養成研修 平成19年度受講者アンケート集計結果
目的: | 研修後1年が経過した時点での受講者の状況を、自己評価を通して調査することにより、研修の成果や課題を明らかにし、今後の研修改善に役立てる | |
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対象: | 「平成19年度小学校英語活動推進者養成研修」受講者80名 | |
実施時期: | 平成20年9月 | |
実施方法: | 受講者本人が、インターネット上にある栃木県総合教育センターのホームページから記名で回答 | |
回答者数: | 76名 | |
集計結果: | 回答全体についてのグラフ |
集計結果:全体
1.今年度の英語活動の授業について、該当する項目をクリックしてください。
(1) 現在、主に担当している英語活動の学年をお答えください。
(2) 現在、主にどの形態で英語活動を実施していますか。
2 研修後から現在の状況について、5段階で自己評価しクリックしてください。
(1) 当研修での研修内容を、いろいろな機会を捉えて他の教員に伝えてきた。
(2) 研修中に講師が紹介した指導法やアイディアを授業で実践してきた。
(3) 研修中の模擬授業の内容を英語の授業に活かしてきた。
(4) 外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加してきた。
3 自分の英語力の向上のために、自主的に取り組んできたことはありますか。

「ある」と答えた方にお聞きします。どのようなことをしてきましたか。(複数回答可)
4 校内研修についてお答えください。
(1) 当研修終了後、今までに英語活動についての校内研修を実施しましたか。
(1)で「実施した」と答えた方にお聞きします。
英語活動の校内研修では、どのようなことを実施しましたか。(複数回答可)
(1)で「実施しなかった」と答えた方にお聞きします。実施しなかった理由を具体的にお書きください。
- 主な意見を多い順に掲載します
- 研修をする時間が確保できなかった。
- 校内研修の持ち方が分からなかった。
- 職員間での「英語教育への関心」に差があり、実施が難しかった。
(2) 宇都宮大学作成DVDを利用しましたか。
(3) で「利用した」と答えた方にお聞きします。どの部分を利用しましたか。(複数回答可)
(2)で「利用しなかった」と答えた方にお聞きします。利用しなかった理由を具体的にお書きください。
- 主な意見を多い順に掲載します
- ALTが主体の授業のためALTがやりやすい方法で実施しているため。
- 利用する時間的ゆとりがなかったため。
- 市独自の指導計画にそって授業を実施しているため。
- 全体研修の場では活用しなかったが、英語活動の資料とした。
- 利用しにくいため。
5 次の質問に具体的にお答えください。 (「なし」の場合は「なし」とお書き下さい)
(1)昨年受講した小学校英語活動推進者養成研修の内容(セッション)の中で、特に役に立っているものは何ですか。
- 主な意見を多い順に掲載します
- 担任がT1になり授業を主導していく授業の指導案を、グループで検討し、模擬的に授業実演した研修
- 英語活動展開の指導技術や活動例
- 先進校の研究授業の様子と講師のコメント
- 実際の授業のDVDを観ての研修
- 各学年に応じて利用できる教材や活用の仕方
- なし
(2)英語活動に関して、現在あなたが感じている課題は何ですか。 *主な意見を課題別に掲載します。
- <校内体制について>
- 校内教職員の共通理解をどのように図り、校内体制としてどのように英語活動を推進していくか。
- <年計について>
- 低学年の英語活動の計画。4年生以下の年計がない。系統性のある年計作りができていない。
- <ALTについて>
- ALTとのTT指導体制をとっているが,ALTによってはなかなか学級担任がイメージするような活動を展開するのは難しい。
- 学級担任と,日本人の英語指導者やALTとの打合せの時間がなかなかとれない。
- 本来は学級担任がT1となって進めることが望ましいと思っているが、現在はALTがT1として授業を進めていること。
- <授業について>
- 小学校の教師はほとんどの教科を担当しているので、英語活動の教材研究の時間がなかなか取れないことも多くの教師の悩みだと思う。
- ALL ENGLISHで授業が進められないこと。研修会で学んだように、対話の中から子どもたちに学び取らせられるほどの英語力がないこと。
- <児童に対して>
- 児童の個人差に応じた指導を一時間の授業の中でどう行うか。
- 他教科の学習もあるなかで,英語に対する関心をいかに持続させるか。
- 高学年のこどもの中には「英語はできない、苦手」とつぶやく子もいて、焦りを感じる。
- <その他>
- 担任が行う授業の良さは理解できるが、全ての先生方にそれを求めるのは難しいと思う。教科担任制を取ったり、専科の教員や母国での教職経験のあるALTを配置したりするなどして、教科としての英語活動が実施できるよう、それなりの体制を整えることが必要ではないかと思う。
- 保護者の意識。(英語活動のねらいの理解)
- 今のところ感じている課題はない。
(3)今後さらに研修してみたい内容はどのようなものですか。 *主な意見を掲載します。
- 英語活動の評価のあり方
- 担任一人で行う授業展開例や考え方について、また、様々な活動例について
- 「英語ノート」を活用した授業
- 視聴覚教材を使用した授業実践
- 自分の英語力の向上につながる研修
- 3・4年における国際理解をテーマにした英語活動のあり方
- 自校の実態に応じた年間計画作成方法
- 小学校英語の第一人者の先生の講話
- 朝の会や帰りの会など授業以外の場面で英語に触れさせるための手だてに関する研修
- 今のところなし
考察
アンケート項目の「そう思う」「どちらかとそう思う」の回答の合計をパーセントで示すと次のようになります。
2 (1)当研修での研修内容を、いろいろな機会を捉えて他の教員に伝えてきた。・・・・・・・・ | 56% |
(2)研修中に講師が紹介した指導法やアイディアを授業で実践してきた。・・・・・・・・・・・・・ | 53% |
(3)研修中の模擬授業の内容を英語の授業に活かしてきた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 51% |
(4)外部の研究授業や研究大会にできるだけ参加してきた。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ | 29% |
多くの先生方が研修の成果を各学校に持ち帰り、実践していただいていることがわかります。しかし、時間の関係で校外での研修にまで参加するのは難しいようでした。
また、
「3 自分の英語力の向上のために、自主的に取り組んできたことはありますか。」
という問いに関しては、80%の先生方が取り組んできたと答えています。先生方がCDやALTとの対話などをとおして、日々努力されていることが分かりました。
本研修では「各学校において英語活動を推進していくリーダーを育成する」ことを目的としています。しかし、 「4(1) 当研修終了後、今までに英語活動についての校内研修を実施しましたか」の問いに関しての結果は、実施した49%、実施しなかった51%でした。研修をする時間が確保できなかったという意見が多く、やはり、時間が大きな問題でした。「英語活動」という校内研修の時間をまとめてとることが難しい場合には、短時間で何回かに分けて実施するなど、各校の実情にあわせて実施方法を工夫し、できるだけ多くの先生方にぜひ研修の成果を伝えていただき、この研修の目的を達成していただきたいと思います。
「5(2)英語活動に関して、現在あなたが感じている課題は何ですか」という問いに関しては、多くの意見が寄せられました。課題ごとに主な意見をまとめておきました。
以上のようなことから、校務等で時間がなかなかとれない中で、いろいろな課題や不安を感じながらも、自己研修に努め、児童のためによりよい英語活動を実施するために日々努力されていることが分かりました。
来年度より新学習指導要領に基づき、小学校外国語活動が先行実施されます。5年生・6年生で週に1間外国語活動が実施されることになります。英語ノートや指導資料が今年度末には各学校に配布されることになっています。小学校外国語活動の目標は
外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う |
です。
現在はアンケートの結果にもあるようにALT等とのTTで外国語活動を実施している学校が多いかと思いますが、今後は学級担任が一人で実施していくことが増えてきます。「英語の発音は自信がない」「外国語活動に対して積極的になれない」というような不安を感じている先生も多いと思います。しかし、小学校外国語活動は、「外国語」ではありません。「外国語活動」です。英語を教えるのではなく、英語活動の指導をするのです。担任が外国語活動を指導する理由は3つあります。
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相手との違いを知り受け入れられ、よい意味での自己主張ができ、必要なときに積極的になれる子供たちを、外国語活動をとおして育成していく、それがコミュニケーションの素地を養うことではないかと考えています。
最後になりましたが、お忙しい中アンケートにご協力いただきありがとうございました。寄せられたご意見と集計結果を検討し、今後の研修に生かしていきたいと思います。