平成15年4月から、高等学校においても新学習指導要領に基づく教育課程がスタートしました。今回の改訂では、生徒の主体的・自律的な学習を推進し、それぞれの能力を十分に伸ばすことをめざした教育を展開することが期待されています。このため、各学校においては、ガイダンスの機能を生かした学習支援体制を整えるとともに、シラバスを通して、教科・科目、総合的な学習の時間、特別活動の学習活動のねらい、内容、授業時間の配当などについて、生徒にわかりやすく示すことが重要になります。また、学校の教育目標や教育計画などについて、保護者や地域の人々に十分説明して理解を得ることも大切です。平成15年3月には「高等学校設置基準」が一部改正され、各学校には、自己点検及び自己評価の結果を公表することや、積極的な情報提供を行うことが求められています。シラバスを公開することは、学校にとって有効な情報提供の一つになります。
一方、シラバスの作成は、教師にとっても学習指導の改善に役立つ有用な資料となります。指導と評価の一体化の考え方に基づき指導目標、評価の観点、評価規準を明確にしたり、具体的な評価方法を工夫したりするためには、学習指導計画の改善が必要です。シラバスの作成作業を行うことによって、学習指導計画を生徒の学習の視点からとらえ直すことができます。
シラバスの作成にあたっては、各学校の教育目標や生徒の実態をふまえながら、創意工夫を生かすことが重要です。このことから、本資料では、シラバス作成のねらい、学習指導計画との関わり、記載内容、作成の手順などが明らかになるような例を示しましたが、資料の多くを占める各教科等の事例については、教科・科目の特性を生かすため統一した様式にはしていません各教科の事例を比較しながら学校ごとに、生徒と教師双方が利用しやすい形式を工夫してください。
本資料が、各学校におけるシラバス作成と学習指導改善のための参考資料として活用されることを望みます。
平成15年11月
栃木県総合教育センター所長
豊田敏盟
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