情報化、国際化、少子高齢化などが進む中、学校を取り巻く環境は急激に変化しています。それに伴い、「規制緩和」と「地方分権」をキーワードとして様々な教育改革が進められています。
平成10年9月の中央教育審議会「今後の地方教育行政の在り方について」では、「学校の自主性・自律性の確立について」が取り上げられ、これ以降、学校評議員制の導入や学校評価システムの構築などの教育行政施策が展開されてきました。また、平成12年の教育改革国民会議報告「教育を変える17の提案」、平成13年に文部科学省が公表した「21世紀教育新生プラン」の中に、学校や教育委員会に組織マネジメントの発想を取り入れることが盛り込まれ、校長の独自性とリーダーシップの発揮等が明示されました。
これらを受け、各地で学校組織マネジメント研修が実施されるようになりました。当総合教育センターでも、管理職研修や各種の基本研修のプログラムの一つとして、平成16年度より学校組織マネジメント研修を導入し、その考え方の浸透と手法の紹介に努めてきたところです。
学校組織マネジメントとは、「学校の有している能力・資源を、学校に関与する人たちのニーズに適応させながら、学校教育目標を達成していく過程(活動)」(文部科学省組織マネジメントカリキュラム等開発会議)と定義されています。この考え方を生かし、地域や子どもの状況を踏まえて創意工夫を凝らした教育活動を展開していくことが、今、学校に求められています。
各学校は、地域の状況を的確に把握すること、教育方針を教職員だけでなく保護者や地域に伝えること、特色ある教育課程を編成し自主的・自律的な運営を行うことなどの課題に取り組んでいます。こうした課題に対応するうえでも、学校運営に学校組織マネジメントの考えを導入することは極めて有効であります。
本冊子は、県内の調査研究協力校における学校組織マネジメントの考えを取り入れた学校運営の事例を紹介することで、元気のある学校づくり、特色ある学校づくりの参考にしていただくことをねらいに作成したものです。各学校の教育活動の充実に御活用いただければ幸いです。
終わりに、本冊子の作成に御協力をいただいた調査研究協力校の方々に深く感謝申し上げます。
平成21年11月
栃木県総合教育センター所長
瓦井 千尋
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